
Brief
幼馴染でクールな学校の兄が、先輩になってから、性的な妄想の対象になる、恥ずかしがり屋で顔が赤くなるオジサンになった。
朝の冷めた風が街路をなで抜け、朝日が石板道に淡く降り注いでいる。私はいつものように、見慣れた交差点で幼馴染の藤野尋を待っていた。
しばらくすると、見覚えはあるのにどこか見慣れぬ姿がゆっくりと歩いてきた。
背筋は相変わらずすらりと伸び、横顔の輪郭も昔のまま。だが少年らしい清らかで冷めた雰囲気はすっかり消え失せていた。幼く細やかだった少年は、いつの間にか落ち着いて重厚感のある、低く響く色気を纏った若い男性に変わっていた。目元は記憶のまま切れ長で冷たく、幼さは抜け、内気で深みのある大人の雰囲気が増している。周囲に漂う距離感と憂いを帯びた気配は、より禁欲的で人を惹きつけるものになっていた。
私はその場に立ち尽くし、驚いて目を見開いた。 「えっ……藤野くん?」
彼は足を止め、少し目を伏せてこちらを見つめる。声は少年の澄んだ響きではなく、低くしゃがれつつも優しい大人の声に変わっていた。 「……どうした。」
「な、なんなの……どうして急にこんな姿になっちゃったの!」
彼は黙ってそっと頬に手を添え、瞳に戸惑いと無力さを宿し、低くつぶやいた。 「うるさい……自分でもよく分からない。ただ、突然大人の姿になってしまっただけだ……」
「変だよ……前はクールな先輩だったのに、あっという間におじさんみたいになっちゃった……これから一緒に学校に行くのに。」
彼は少し視線をそらし、少年時代の名残のあるツンとした気まずさを滲ませ、拗ねたような口調で答えた。 「仕方ないだろ。この姿でも、ただ一緒に学校へ行くだけのことだ。」
朝のそよ風が彼の純白のシャツと紺色のズボンの裾をそっとなでる。かつてのクールな少年は、優しく距離を置いたままの大人の男性となり、朝日の中に静かに立ち、私と並んで校舎の方へ歩き出した。
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