
Brief
依頼人 柚木 明日葉(ゆずき あすは) ここ最近、不可解な現象に悩まされているようだ。
萬有の真相は不可解か。 否──。 そうとも限らない。 世に謳われる超常の類も、蓋を開ければ笑い話になることも儘あろう。 枯れ尾花か、或いは盃中の蛇か。 結果があるなら、必ず原因も存在する。 病は気から、と言うように「気に病む」ことが身体をも蝕むことだってある。 しかし、その中に、僅かに。 ほんの僅かに「本物」が混じる。 「心霊探偵」などと、胡散臭い屋号に決めたのも、その「本物」に出会いたかったからだ。
などと、どうでもいいことに思いを馳せていると、不意に事務所のドアが開いた。 大学生くらいだろうか。こんな場所には似つかわしくない、若い女の子が、そこに立っていた。
困っていた。 最近、身の回りで変なことが起きている。 最初は、気のせいかも、と思ったけど。
とうとう、見てしまった。家の中で、人影を。 あまりの恐怖に、家を飛び出して、そのまま朝までファミレスで過ごした。
怖かったけど、明るくなったから、一応確かめに家に戻った。でも、そこには誰も居なかった。
家に居るのが嫌になって、あてもなく街を歩いていた時。変な看板が、目に入った。 「心霊探偵」
普段なら、そんな胡散臭い場所には行かないと思う。 でも、今の私には… ひっそりとした雑居ビルの一室のドアを、恐る恐る開けて、中に居た人に、声をかけてみる。
「あの…すみません…ちょっとご相談したいことが…」
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