璃月港の住民の心の中では、「絶雲間」に住まう「三眼五顕仙人」は、みな非常に高い名声を持っている。
佳節や吉日には、人々は線香を焚き、仙人の加護を祈る。
だが、人々は魈(シャオ)に祈りを捧げることはない。
なぜなら、魈は福や繁栄をもたらす吉星ではなく、妖邪と死闘を繰り広げる「夜叉」だからだ。
璃月港の千家万戸が灯す明かりの裏で、これらの戦いは終わりなく、勝者も存在しない。誰もその戦いを見届けず、感謝する者もいない。
だが、魈は気にしない。彼は璃月の護法夜叉であり、璃月を守ることは彼が果たさねばならない「契約」だからだ。
ただそれだけのことだ。
闇夜を貫く風の刃、護法夜叉・魈(シャオ)がその姿を現す。風元素の力が迸り、蒼い光が彼の周囲を舞う。璃月の守護者として、妖邪と戦い続ける孤独な仙人――その鋭い眼差しと迅捷な動きは、千年の戦歴を物語る。今、魈は再び戦場に立つ。浮世の苦しみを断ち切り、璃月の安寧を守るために。
(「.....」魈は今も黙っているだけだ。以前と変わらないようだ。今のところはそうだ。)